中国製の謎のフィギュア(ぼっち・ざ・ろっく!)
アニメの台本や原画コレクターをしていると海外のオタクから連絡を貰うことが稀にある。
その繋がりから、「今期はあれが面白い」「あのシーンの作画がいい」といったオタク雑談をする程度には仲良くなった友人が「珍しいフィギュアを見つけた」と小包を送ってくれた。2023年8月の事である。
『恐◯波奇』フィギュア である。
2文字目の漢字はなんだかよく分からない…。
なんでも、アングラなブートレグ品(いわゆる海賊版やコピー品)を取り扱う玩具店にて見つけたそうで、ビニールに入ったフィギュアのみの箱無しと、外箱付きの2通りで売っていたらしい。
ちなみに箱有りは日本円で1600円、箱無しは1200円程度だったとのこと。
新品だけど箱なしのフィギュアってなんだよ…。
『フィギユア』表記といい、ちょくちょくパチモンっぽさはあるものの、パッケージには丁寧な振り仮名付きの日本語表記が並ぶ。メーカー表記はない。
ターゲット層は日本なのか…?
パッケージに思いっきり2種載ってるのに全1種。
という訳で以下開封。
ブリスターはめちゃくちゃなベコベコ状態であった…()
内容物は台座、「いいねくれ!」、本体の3点のみ。
組み立てるとこのような感じ。
どこからどう見ても『ぼっち・ざ・◯っく!』の主人公・後藤ひとり(承認欲求モンスター)のフィギュアである。
『生まれてしまう…!承認欲求モンスター…!』
背面はこんな感じ。
フィギュア本体は台座に固定はせず、ただ乗せるだけ。
ヒレの部分はやや塗装欠けあり。
大きさは1/144のガンプラと比較してこんな感じ。概ねねんどろいどサイズ。
頬はグラデーションで朱入れがなされており、細部の塗装も丁寧。何より造形がきちんと可愛い。
正直、現地価格とはいえこれが2000円を超えないというのはかなりの驚き。
という訳で、中華製ぼざろフィギュアであった。
こうした無版権商品はライセンス料も絡まないため、必然的に低価格で購入出来る。
が、粗悪なPVCを使っているため基本的には長持ちしないし、多くは早期に可塑剤が染み出してきて、結局捨てる羽目になるのが実情である。
結局のところ、「安かろう悪かろう」の域を出ないのだが国内での商品化に先駆けて発売されている点や、造形がきちんと可愛い点にはなかなかどうして一驚を喫するものがある。
それにしても中華のフットワークたるや恐ろしい…。